

ラン科ネジバナ属の小型の多年草。別名モジズリ(綟摺)ともいう。水はけがよく、日当り


のよいところを好むので、たいていは芝生に混ざって生えている。右巻き、左巻き、両方がありその比率は、ほぼ五分五分で、花が螺旋状に付いた花穂を真っ直ぐ上に伸ばし美しい。突然ネジバナの群落が形成されたと思ったら、数年で消滅してしまうこともある。見かけからは想像も付かないけれど、ネジバナの根は根菌となって菌類と共生しているが、その関係は繊細で、花粉には粘着質の物質が含まれていて、花粉の塊を、やって来た虫に纏めて持っていって貰えるようにという戦略なのだ。結果、大量に纏めて受粉ができるので、ひとつの花に数十万個の種子を作ることが可能になる。数が多いので個々の種子は粉末のように小さく、種子そのものには芽を出すだけの栄養素もなく、ある菌に自らを感染させ、感染した菌は、菌糸を出し種子の中に潜り込むのだが、逆に、侵入してきた菌子から、種子は栄養分を吸い取ってしまい、養分を獲得した種子は、種子に張りつく菌も分解して発芽のための栄養素にしてしまうのだ。その見かけからは想像も付かない驚くべき生命力は「神秘」としか言いようがない。小さくてもランの一種で、日本全土で昔から親しまれており、別名のモジズリというのは、東北地方の信夫郡(しのぶぐん)で作られていた織物「信夫捩摺り」のよじれた模様と花のつき方が似ているところから、このように呼ばれるようになったらしい。
「みちのくの しのぶもじずり たれゆえに みだれそめにし われならなくに」という句が百人一首の中にあり、この「もじずり」が「ネジバナ」のことなのだ。
↓オモロナイ
!写真がイマイチ
!・・
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