

久しぶりに、西脇市の岡之山美術館へゲージツ観賞に出かけてきた。開館以来、二十数


年、地元出身の美術家横尾忠則氏の個展を開いてきたが、神戸市灘区に昨秋開館した、


横尾忠則現代美術館へ作品展示の軸を移したことに伴う方向転換ということで、今回から


横尾さんと交流のある作家らの現代美術展に企画を変更することになったらしい。そのイッパツ目にあのアラーキー氏による「花小説・荒木経惟展」と言うことになったのだ。荒木氏とは代官山のギャラリーで会って以来、もう十数年会っていないコトになる。この間の荒木氏のバクハツぶりには凄まじいモノがあり、あの岡本太郎氏もブッ飛んでしまうのではないかとさえ想わせるようなパワーがある。約40年前に“さんちかの古本市”で気になるので買った季刊誌「血と薔薇」・・・三冊を束ねて無造作に並べられていた本・・・創刊~3号で廃刊になってしまったらしいが、
澁澤龍彦責任編集・エロティシズムと残酷の綜合研究誌と銘打ち、「エロティシズムとは、死にまで高められた生の賛美である=ジョルジュ・バタイユ=」と歌い上げた「血と薔薇」には写真家として篠山紀信「聖セバスチャンの殉教」「制服の処女」、立木義浩「鍵のかかる女」、東松照明「楽屋」などの名前や写真が出てくるけれど、こと、「エロスやタナトス」といった意識や観念の表現ともなれば消化不良を起こし、いずれも深みに欠け青臭い。あの時代から約半世紀、表現技法の進化など、表現のバリエーションには格段の差があるとしても「花小説・荒木経惟展」は、これらを遙かに凌ぐモノがあり、一見の価値はある。「ご無沙汰しています。お元気でなにより・・・」と挨拶を交わせるいい機会でもあったけれど、生憎、オープニングの日(14日)は、コチラの都合で伺うことができず、15日(月)に写友M氏、N氏の二人に会い、旧交をあたためつつ、「花小説」を観賞・・・茶店で写真から墓場まで・・・こちらはコチラで老人パワー炸裂!!挙げ句の果てに“オキクムシ”を飼っているというM氏宅へ回り道、降り出した雨の中で食草である「ウマノスズクサ」を、あっと言う間に食い尽くしていくジャコウアゲハの幼虫を激写!M氏によれば、オキクムシはジャコウアゲハのさなぎということで、枝からぶら下がる姿が、縛られつり下げられたお菊さん(番町皿屋敷)を連想させることから、そう呼ばれるようになったと言われている。お菊井戸の周辺に食草のウマノスズクサが繁っていたのだろうか・・・毒のこと、臭いの目的や機能と、どうもジャコウアゲハの「麝香」には人間の怨念や情念を呼び起こすような響きがあり、さしずめ魔女の蝶といったところか。後日談ではあるけれど、14日(日)のオープニングの日も会場に来たというN氏が、雑誌で見覚えのある女性が外にいるので、声を掛けたら、荒木氏の只一人の弟子の野村佐紀子さんで弟子入り直後に大阪で、代官山のギャラリーでも会っているが、約20年ぶり「Tokiraさんはお元気ですか?」と尋ねられ、名刺ももらったのでウチへ電話をくれたらしいが、私はユウスゲとグンバイトンボを観に出かけて不在を伝えたら、「前日(13日)から西脇市に来ていたのに・・・」と残念がられたとか・・・「ご無沙汰しています。お元気そうで・・・」と挨拶ぐらいは交わせたのに・・・チョット、マメさに欠けたようで。ネットで野村佐紀子さんを検索してみたら、見事に一本立ちしてるようで・・・ごリッパ!嬉しいことです。
◆広がるアラーキーの世界 西脇市で企画展開幕◆澁澤龍彦・責任編集(創刊号~第3号)「血と薔薇」=(
雑誌「血と薔薇」)=
◆野村佐紀子 - デジカメWatch◆「麝香」媚薬と官能の香り=(
ザ・においクラブ)=
↓オモロナイ
!写真がイマイチ
!・・
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