

「猩々袴(ショウジョウバカマ)」。花が赤いのを猩々になぞらえ、根生葉の重なりが袴に似ているこ

とから名付けられたとされる。猩々(ショウジョウ)は中国に由来する伝説上の動物で、因みに、チンパンジーの和名は黒猩猩(クロショウジョウ)、ゴリラの和名は大猩猩(オオショウジョウ)、猩々はオランウータンの漢名でもある。この季節になればお馴染みのショウジョウバカではあるが、ショウジョウバカマが花をつける個体になるまでに、実生(みしょう…種子が発芽したばかりの段階)から丸2年かかるといわれている。そして3年目以降に花を咲かせるのだが、2年目の秋には花芽を形成し冬を越す。そして雪解けを迎えると、越冬した葉のエネルギーが機能し、すぐに花茎を伸ばし開花するのだという。生産した種子の大半は、大きな個体に成長するまでに死んでしまうのだが、ショウジョウバカマには「栄養繁殖」という、もう一つの増え方があることを初めて知った。それは3年目以降の大きくて古い葉の先端部に、栄養繁殖体を形成することが多いというのだが「ムカゴ」のようなものか・・・葉の先端部に、「カルス」と言われる細胞の塊が形成されると、活発に細胞分裂を繰り返し栄養繁殖体の形ができあがり、この時すでに根も形成されているらしい。そして、親を取り囲むように全く同じ遺伝子をもった小さな個体、クローンが根を張って着実に増殖していくという・・・これは、実生が定着できないような厳しい環境でも確実に子孫を残すための戦略なのだった。ショウジョウバカマのような、お馴染みの植物のコトになれば、つい、お座なりになってしまうけれど、調べてみれば知らないことだらけ・・・次に、ショウジョウバカマを観る機会があれば「栄養繁殖体」の実物をこの眼で確認したいものだ。
◆ショウジョウバカマの話(栄養体生殖)=(
身近な野草)=
◆ショウジョウバカマ=
(石川の植物)=
◆地下貯蔵器官と栄養繁殖=
福原のページ(植物形態学・分類学など)=
↓オモロナイ
!写真がイマイチ
!・・
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