

丹波・白髪岳山麓の村で遇った不思議な初老のお嬢さんに、誘導されるまま、今、来た道を戻り、ミョウガの生える空き地の片隅まで来たところで、お嬢さんが
「さぁ、好きなだけ採っていき!好きな人に食べて貰ってこそのミョウガ冥利というもんや・・・」とか呟き、覆い被さる雑草を抱え上げたその時、
「わアッ、コレ何!?」と素っ頓狂(スットンキョウ)な声を張り上げた・・・見れば、紅いサツマイモのような物が草の陰に見え隠れする・・・
「チョット待って!引き千切ったらアカンで・・・それ、ツチアケビや!」「へぇ~、あんた詳しいんやなぁ・・・ツチアケビ!??初めて見たわ・・・」こんなやりとりがあって、アト茎を折らないように、果実を落とさないようにと気遣いながら、覆う雑草や


蔓を取り除き、例のアヤしげな姿が現れたところで取り敢えずカメラに収めた。ツチアケビは山中の腐葉層に自生し、腐生植物で葉緑素を持たず、地上部に葉はなく花房だけがある。和名は、果実の形がアケビに似ていて直に土中から生えているところから付けられたらしい。また、赤色の果実が唐辛子に似ているのでヤマトウガラシとも呼ばれ、果実の垂れ下がる様が錫杖に似ているところからヤマシャクジョウとも呼ばれ、他にヤマサンゴ、ヤマノカミシャクジョウの別名がある。ツチアケビには太い根があるそうで、その根の表面にナラタケの菌が寄生し、菌糸が根に進入する。通常、ナラタケの菌糸は樹木や根の中で増殖、養分を溜め込み更に増殖してキノコを発生させるが、その過程で侵入された木は養分を吸い取られ枯れてしまう。


ところが、ツチアケビは根に侵入したナラタケ菌糸が増殖し、十分に養分を溜め込んだところで逆襲に出るというのだ。根の細胞が変化し菌糸を包囲し、それを溶かしてツチアケビの養分として吸収してしまうと言われている。ツチアケビは攻撃されたフりをしながら、ナラタケ菌が調子に乗り、増殖したのを見計らって反撃に転じ、それを喰ってしまうという戦略なのだ・・・ラン科の植物は、いろんな菌と共生して菌から養分を得ているらしいが、ツチアケビは一方的に菌を利用し尽くしている・・・自然界のシステムの妙というか、その仕組みには、只々感心するばかり・・・。
◆ツチアケビの成長◆ツチアケビ咲く播磨の森・・・【Aladdin's cock】◆ラン科の腐生植物(
福原のページ(植物形態学・分類学など))
↓オモロナイ
!写真がイマイチ
!・・
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