

年明けの神戸市北区から三木市志染町界隈をドライブしていたら、田んぼの中で凧揚げに興ずる元気なお爺さんと孫たちに出くわした。現在では殆ど見かけることもなくなってしまった光景に、吸い寄せられるように畦道を這い、数枚の写真を撮らせて貰ったのだけれど、弟らしき男の子がコレでどうだッ?・・・とカメラに向ける執拗なポーズについ、ついシャッターを切らされてしまう・・・のどかな現代農村の正月景色。高く上がった連凧は和凧ではなく“カイト”と呼ばれる洋凧なのだった。如何に時代が移り、環境が変わっても、遊びに熱中する子ども


達のバイタリティには圧倒されるばかり・・・。久しく触れることもなかったニッポンの正月景色に“気分は昭和”と弾む心で近くにあった御坂神社の境内を巡っていたら
「女陰の祀(マツリ)『賽銭箱』」と書かれた箱が目に止まり、その向こうにしめ縄を掛けられた岩が立ち、なにやら意味ありげではあった。チョッピリ調べてみたら「淫祠(いんし)」と言う、いかがわしい神を祀ること、またはそのような施設・・・などと解説があり、そして、あの永井荷風センセは、その「馬鹿々々しい処」にこそ「一種物哀れなやうな妙な心持のする処がある」と言うのである。そして、それだから「いつも限りなく私の心を慰める」のだとも言い、「裏町の風景に或趣を添へる上から云つて淫祠は遥に銅像以上の審美的価値がある」とまで言うのである・・・さすが永井荷風センセの話には興味は尽きることがない・・・こんな話を読んだ日に、アラーキー氏の
「安吾賞」受賞を知り嬉しくなってしまうのだった。三十数年来の知人であり、
「さっちん」の
太陽賞以降、無冠の天才カマラマン
荒木経惟氏(アラーキー)に「安吾賞」とは・・・ベストマッチではないか!こんな賞があったことも初めて知った。「さっちん」から「女陰」まで、下町人生の深さに感服しきり・・・春が来たらしい。
◆アラーキーの大きさ・安吾賞レセプション (
アイアンブルーの空の彼方へ)
◆「安吾賞」(
新潟市 - 安吾賞 -Ango Awards-)
◆安吾の肖像(
安吾の肖像)
↓オモロナイ
!写真がイマイチ
!・・
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