

花が姿を隠し、赤い実が目立つ初冬の山・・・ナンテン、カマツカ、サンキライ、ソヨゴ、ガマズミ、センリョウ、マンリョウ・・・山で見かける木の実は「赤」


が圧倒的に多いけれど、赤い実はこれだけではない。自然界には紫や黄色の実でなく赤い実が多く、植物は赤を目立たせて、鳥に「美味そうな食


べ物がココにあるよ」という信号を送っているらしい。鳥によって散布される種子・・・果実の殆どが赤い色をしているのはこのためだと言われている。鳥


は果実から栄養を得るかわりに種子を遠くまで運んでくれる。果実は鳥が見つけやすいように、鳥は果実をよりうまく見つけ、消化吸収できるように互いを進化させる“野鳥と植物の共進化”なのだ。異種間での関わりの中で互いに形質を変化させていく関係を「共進化」と言い、自然界は「共進化関係」で充ち満ちているということらしい。アオツヅラフジ、ムラサキシキブ、ネズミモチ、ノブドウ、ヤブラン、ヤマブドウ、イヌザンショウなど紫や青、それに黒など赤以外の果実も現実にかなりある。これはどういうことなのか・・・最近の研究では、人間には見えていない近紫外線領域を鳥は見ることができる・・・ということがわかってきたので「赤以外の実」にもそれなりの意味はあるということらしい。なにも人間サマがそこまで気にしなくとも、気の遠くなるような時間を経てきた結果の自然界のこと、ヒトが想うほど無意味なことなど、そうあるはずもないのだろう。野鳥による種子散布に関してこんな記述もあった・・・果肉には発芽を阻害する成分が含まれているので、そのまま撒いたのでは発芽しにくく、ナナカマドはまったく発芽しないし、ハゼの実も2~3年は芽が出ない。ところが、不思議なことに鳥の
砂嚢(さのう)を通過するとすぐに発芽するようになるというのだ。ヤマザクラ、マサキ、サカキなども同じで、消化されてから糞として出てきた種子と、果肉そのまま地面に付着したものとでは発芽率が大きく違うのだ。自然界には果実(フルーツ)があり、野鳥たちは、確かに種子散布の役割を果たしているのだった。
◆砂嚢(
Wikipedia)
◆「鳥類の色覚」(
財団法人日本色彩研究所)
↓オモロナイ
!写真がイマイチ
!・・
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