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Aladdin's cock

日かげ いつか月かげとなり 木のかげ・・・山頭火       
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萩の花・・・

ハギハギ 異常気象の続いた夏から秋へ・・・野山に花の姿が途切れたかと想ったら、真っ赤な彼岸花が刈り込まれた畦道を彩り、「暑さ寒さも彼岸まで・・・」とは、言い得て妙・・・昔の人は偉かった・・・朝の涼しさは、まさに秋本番。可憐な花を咲かせた萩もよく目につくようになり、珍しくもない花ではあるけれど、つい、足を止めパチリ・・・。ここまではいいのだが、さて、このハギは「何というハギなのか・・・」
ハギハギ同定に困るのは毎度のこと、いつも「ヤマハギ」で片付けることにしている。秋の代表的な花「ハギ」でいいのではないか・・・。古人に最も親しまれたのも萩であるらしく、万葉集で最も多く詠まれている花は、ウメでもサクラでもない、ハギだといわれ、その数、百四十首以上もあるという。また、萩の花は性的な象徴物でもあったらしい。確かに、萩の紅い花びらは女性器の外陰部に似ている。万葉集では萩に「芽子」の字を宛てたモノがかなりあるらしい。これを文字通り訓読みすれば、一部地域における女性生殖器の呼称に重なるのも、単なる偶然ではなかろう・・・という説もある。和歌では、萩は鹿と取り合わせることが好まれ、牡鹿の角は男性生殖器の象徴にほかならず、男女の営みや、心の彩を詠んだものも少なくないらしい。「萩と鹿」を詠んだ歌を並べてみた・・・“男と女”を詠んだ歌・・・通訳されている歌もあるけれど、各自の想像を膨らませて解釈する方が面白いのかも知れない。

「萩と鹿を詠んだ歌

をとめらに行き逢ひの早稲(わせ)を刈る時になりにけらしも萩の花咲く  詠花  作者不明

さを鹿の啼きそめしより宮城野の萩の下露おかぬ日ぞなき  秋  藤原良経

我が岡にさ牡鹿(をしか)来鳴く初萩の花妻とひに来鳴くさ牡鹿

(通釈:私の住む岡に牡鹿が来て鳴く。萩の初花を花嫁に得ようとやって来て鳴く牡鹿よ。)

明けぬとて野辺より山に入る鹿のあと吹きおくる萩の下風

(通釈:夜が明けたというので、野辺から山へ帰ってゆく鹿――その後を慕うように、萩を靡ナビかせて吹き送る風よ。)

  『万葉集』 (湯原王の鳴く鹿の歌)
秋萩の散りのまがひに呼び立てて鳴くなる鹿の声の遥けさ

  『万葉集』 (内舎人石川朝臣広成の歌)
妻恋ひに鹿鳴く山辺の秋萩は露霜寒み盛り過ぎゆく

  『万葉集』 (題詞略) 大伴家持
をみなへし秋萩しのぎさを鹿の露別け鳴かむ高円の野ぞ

  『古今集』 (是貞のみこの家の歌合によめる) 藤原敏行
秋萩の花さきにけり高砂のをのへの鹿は今やなくらむ

  『古今集』 (題しらず) よみ人しらず
秋萩にうらびれをればあしひきの山下とよみ鹿のなくらむ
秋萩をしがらみふせてなく鹿の目には見えずて音のさやけさ

  『後撰集』 (秋の歌とてよめる) 紀貫之
往き還り折りてかざさむ朝な朝な鹿立ちならすのべの秋萩

  『古今和歌六帖』 (鹿) 作者未詳
なく鹿の声うらぶれぬ時は今は秋とやいはん萩の花さく

  『後拾遺集』 (萩盛待鹿といふ心を) 白河天皇
かひもなき心地こそすれさを鹿のたつ声もせぬ萩の錦は

  『新後撰集』 (住吉社によみて奉りける百首歌中に) 藤原俊成
秋の野の萩のしげみにふす鹿のふかくも人にしのぶころかな

  『金槐和歌集』 (鹿の歌に) 源実朝
萩が花うつろひ行けば高砂の尾上の鹿のなかぬ日ぞなき

  『紫禁和歌集』 (草花徐開) 順徳院
小男鹿の涙ふるのの秋かぜに萩の下葉も色かはるころ

  『新千載集』 (詞書略) 伏見院
今よりやさきにほふらむさを鹿の声きく小野の秋萩の花

  『草根集』 (朝萩) 正徹
朝霧の野べ立ちわかれ行く鹿の跡に露けき萩が花づま

  『雪玉集』 (鹿交萩) 三条西実隆
咲きしより散らんまでとやなく鹿の花におきふす野べの萩はら

  『賀茂翁家集』 (詞書略)
を鹿なく岡辺の萩にうらぶれていにけむ君をいつとか待たん

   『杉のしづ枝』 (卯花を) 荷田蒼生子
うらぶれし鹿も心やなぐさまむなが花づまに月やどるころ














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Tokira

Author:Tokira
写真、山歩き。
マイルス・デビスやチャーリー・ミンガスもいいけれど
浅川マキのセンチメンタルジャーニーにシビれるジャズ好き。
近頃は吉田日出子の「リンゴの木の下で」を聴いては
ホロリと黄昏れている・・・
時々、照れ隠しに『淫蕩火』を名乗るエロ老人。



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