



・・・・・こんな話からきた「【鬘】かずら」・・・かと思っていたら「【蔦】【葛】つた、かずら」の「かずら」で、・・・・・「この方は、わたしが仕えていた人です。昨日亡くなられましたが、誰も弔(とむら)いを出そうとしません。やむを得ず、ここに運びました。」
「髪の毛を引き抜いていたな、どうしてだ。」
「きれいな長い髪で、上等な鬘(かつら)になると思いました。売れば幾らかの足しになると思いまして。お許し下さい。命だけはお助け下さい。」老婆は命乞いをしました。
「それなら、その髪の毛とお前の主の着物をよこせ。そしたら助けてやろう。」
老婆は、震えながら、何とか死体から着物を剥ぎ取ると、盗人(ぬすっと)に渡しました。
盗人は冷ややかに言いました。
「お前のもだ。」
老婆は着物を脱ぎました・・・・・
羅生門(日本昔話)
この話から、羅生門で切り落とした鬼の腕に、毛むくじゃらのこの花をたとえたと言われている。・・・・・ そういって、綱が娘に手をさしのべたとき。
「ギャハハハハハッ・・・」
とつぜん、娘は鬼のすがたにかわったかと思うと、ものすごい力で綱の首をしめつけました。
そして手をはなすと、あっというまに空中高くまいあがります。
「おのれ! きさまが羅生門の鬼であったか」
と、刀に手をかける綱。
「アハハハハハッ、いまさらジタバタしたって、おそいわい!」
綱は、鬼のいっしゅんのすきをついて、そのうでめがけて切りつけました。
「えい!」
「ウギャァァァァッ!」
綱の刀は、鬼のうでをみごとに切り落としました。
「むむっ、くそっ! 綱よ、おぼえておれ。そのうで、七日間だけきさまにあずける! その間に、かならずとりもどしにいくからな!」
鬼はそうさけぶと、空高くまいあがっていきました。
切り落としたその鬼のうでは、はがねのようなごつごつした太いうでで、はりのような毛が一面にはえています。
そのうでをなかまに見せると、なかまたちは口ぐちに綱をほめたたえました。
だが綱は、このうでを七日間、鬼から守らなければなりません。
・・・・・
羅生門の鬼
( 京都府の民話 <福娘童話集 百物語 日本のこわい話>)

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