

縄師・Kさん渾身の再生古道、第二弾!“7つの炭焼き窯跡と山桜コース”を1月4日の初歩き以来、すでに3回歩いた。標示板に7つと書かれていた炭窯も見落としていた2ヶ所を新たに加え9つと訂正されている。このコースを歩く度に、その昔、炭を焼いて暮らしていた人たちの生活に想像を膨らませてしまうのだけれど、「炭を焼く」ということすらよく知らない現代ボケ老人にとって“木炭の歴史”といえば“炭窯の歴史”を避けて通るわけにもいかず、こんどは炭窯に頭を突っ込んでしまったのだ・・・炭を焼くための窯の構造を知るべく探し回った結果
青川炭焼きの会というサイトにあった「炭窯の略図」が従来の窯の構造を理解するには最適と判断、イラストだけを転載させて貰った。


下左の窯はかなり大きく直径は370cm、外壁の高さは約150cmあり、内側を撮った最下段左画像の通り
「大師穴」が両サイドに空けられている。備長炭の歴史は弘法大師・空海が中国から製炭技術を持ち帰ったといわれる平安時代にまで遡り、関西の炭焼職人たちが炭窯の煙道の入口を
「大師穴」とか
「弘法穴」と言うのは、日本での製炭の始まりに由来しているのだという。それにしても、煙突の入り口を“大師穴”とは、なかなかのネーミングではないか。木炭の製法を知るに連れ、木炭には黒炭(くろずみ、こくたん)と、白炭(しろずみ、はくたん)の2種類が在ることも知った・・・一般的に多く普及しているのは黒炭で、白炭は備長炭が有名ではあるけれど、黒炭・白炭は製炭方法の違いで区別されていて、原木の種類による違いではないことも知った。どのような木でも黒炭・白炭のどちらにでも製炭できるワケで、
黒炭とは、耐火製の土で窯を作り、原木を入れて火を点け、炭化させる。蒸し焼きされた木炭の窯を密封し、酸素の供給を絶ちきって消火し、窯が冷えてから木炭を取り出したものを言い、これとは逆に
白炭は、耐火製の石で窯を作り、原木を入れて炭化させ、炭化終了直前に空気を入れ、窯内の温度を高くすることによって不純物を燃焼させる。その後、中から炭をかき出し、水分を含んだ土と灰の混ざった消し粉を掛けて消火・冷却する。極めて高温に熱せられるので樹皮は完全燃焼し、消し粉で消火するため木炭が灰に覆われて白色・灰白色になる。白炭は「精錬した炭」とも言われ、黒炭に比べると火は点きにくいが火持ちがよく、ガスの発生も少ない。こうした特徴から高級品とされ、価格は黒炭より高い。


こんなことを知るに連れ、この谷底で焼かれていたのは白炭であったことは想像がつくけれど、大師穴が2つあるのはどういうワケか・・・この窯は他のモノに比べて、かなり大きいので構造上二ヶ所の煙道が必要だったのかも知れない・・・カマやアナを知るほどに古の人々への想いは膨らむばかりで萎むことがない・・・窯跡コースはロマン街道なのだった。
↓オモロナイ
!写真がイマイチ
!・・
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