
コウヤボウキが咲き始めた。キク科の植物は、ほとんどが草本であるが、このコウヤボウキは数十㎝にしかならない落葉の小低木で、日本に自生するキクの仲間では、唯一の木本植物でもあり、高野山では、弘法大師が、人間の煩悩や迷いのもとになるものを一切禁止し、女人、酒、魚肉、音曲、囲碁、双六はもとより、竹、桃、梨、柿を植えることも禁じたという。当時、竹は商品価値があったので、人々が金儲けに走るのを禁じたというわけなのだった。そのため、高野山には竹がないので、竹箒の代わりに、この木で箒を作ったのだといわれている。


また、高野山では、このコウヤボウキで作った箒は屋内や土間・内庭などで用い、屋外の広場ではクロモジで作った箒を用いたと云う話もある。また、伏見の醸造元の酒蔵で発酵した酒のアワ(泡)を取り除くのにもこの「コウヤボウキ」の枝が使われたとか、この枝が泡を取り除くのに丁度良かったのだと言われている。コウヤボウキには、もっと優雅?な別名「たまばはき」という名もある。「美しい玉の帚【ははき=ほうき】」の意味で、万葉集などに、この名で登場している。
「 初春の初子(はつね)の今日の玉箒(たまばはき)
手に取るからに揺らく玉の緒 」
巻20-4493 大伴家持
( 初春の初子の今日、お上から玉箒を賜りました。手に取ると玉がゆらゆらと揺れ妙なる音を立てます。 何とめでたい佳き日でしょか )
玉箒とは玉の飾りをつけた箒でこれを揺らすと魂が活発に動き邪気を払うとされ、群臣達は天皇からこの玉箒を拝領したのち新年の宴会に連なったそうです。
この日に使われた「玉箒」は正倉院南倉に現存しており、色とりどりの瑠璃(ガラス)がちりばめられ、根元を金糸で束ねた美麗なもので当時の華やかな宴会の様子が偲ばれます。
◆万葉集その百四十三(新年の歌)
↓オモロナイ
!写真がイマイチ
!・・
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