

この花を撮ってから、もう10日が過ぎた。比較的知名度の高い野生ランなので開花期には、山歩の途中に出会すこともあるし、ネット上でもよく見かける。クローズアップした花をジッと見ていたら、花弁の形や色に始まってその複雑な構造・・・それらに描かれた華やかな模様など、すべてが植物数億年の歴史に裏打ちされた、生き続けるための戦略の結晶・・・かと思えば感慨深いモノがある。


ランの不思議
花粉塊の謎
ラン科の花の種類は2万種を超えるといわれ、キク科と並んで最大勢力を誇る最も進化した花のグループです。進化の方法もきわめてユニークです。その代表的な例が花粉の改良で、10数万個の花粉粒を花粉塊というパックにして運ばせるというものです。つまり1回の受精で数万個の種子を作ることが出来るわけです。しかし必然的に種子は小さく、不完全なものになります。植物本体になる胚の細胞も、少ないものでは数10個で、根はおろか葉も分化していません。発芽の栄養になる胚乳もありません。これをランはラン菌との共生によってクリアしたわけです。共生というと、ともに助け合うという美しいイメージがありますが、どうもラン菌を溶かして栄養にしているというのが実態のようです。もっともラン菌の正体も植物の立ち枯れ病の病原菌などのようで、食べようとして侵入したら逆に食べられてしまったというような関係のようです。ともかくランはラン菌の助けを借りて発芽し、その後は自立するものから、一生をラン菌に頼るものまで多様です。
はじめてこの話を聞くと、思わず「凄い!」と叫んでしまいますが、そんなに夥しい数の種子を作ったら、地上はすべてランで埋め尽くされてしまいそうです。ところが実際に花歩きをしてみると、ランというのはかなり珍しい花なのです。それどころか、絶滅の危機に瀕している種類が多いわけです。
もっと詳しくはコチラ→ランの不思議:花粉塊の謎

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