


グリムの原作は、子持ちのやもめ男と結婚した女が前妻の子である少年を疎み、ついには殺してしまうという話・・・子殺しの罪を隠蔽するため、継母は、殺した少年の遺体をバラバラにしてスープの中に入れ、父親に食べさせてしまうのだが、この父親と冷酷な女の間に生まれた少女は兄の死を悲しみ、テーブルの下に捨てられた骨を拾い集めて、少年の母が葬られているネズの木の根元に骨を埋める。すると少年の骨は鳥になって飛び立ち、継母の頭上に石臼を落として復讐する。継母が死ぬと少年は人間の姿に戻り、父親と兄妹は仲良く暮らすようになる……。と言った話なのだけれど、グリムの原作を知れば、かなり猟奇色の濃い話で、なにやら現代社会に増えつつある“子殺し、親殺し”などの殺人事件に通底している風もあり、おぞましい話ではある。
グリム童話「ネズの木」
「僕の母(継母)さん、僕を殺して、
僕の父さん、僕を食べた、
僕の妹、マレーンちゃんが、
僕の骨をみんな拾って、
絹の布に包み、
ネズの木の下に置いたよ。
キーヴィット、キーヴィット!
ああ、なんてきれいな鳥だろ、僕は!」
一度は死んで、実母と同じように、ネズの木の根元に埋められた男の子が、鳥として甦って、この歌を歌いながら、継母に、復讐を果たします。
いくつかの典型的な物語の展開パターンが組み合わされたお話ですが、継母が林檎の木箱の蓋に男の子の首を挟んでちょん切ってしまい、その首を布でくるんで胴体に乗せて、妹マレーンちゃんにその首をはたき落とさせ、最後には、スープにしてお父さんに食べさせてしまうという、かなり猟奇的な要素の濃いお話です。
ここで出てくるネズの木・・・マハンデルバウム・・・は、若返りの木であり、その実は、ジンの香料に使います。
この男の子の実母は、長いあいだ子供が出来なかったので、ネズの木に願をかけ、ネズの実がなる頃には、その実をがつがつと食べてから、男の子を産み、すぐに死んでしまいます。そして、遺言により、ネズに木の根元に埋められます。
どうもこのお話は、ネズの実という若返りの薬を使う、魔女一族のお話だったような気がします。
「ネズの木の話(初版グリム童話)」の紹介([AKIRA-CHIN's DB])

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