

白髪岳から松尾山登山口まできたところで分岐を文保寺方向へ進み、暫く行くと、肩越えの辻に出る。肩越えの辻は、文保寺からのコース、松尾山からのコース、白髪岳へのコースが交差し、登山コースの要衝であるらしく、ここから白髪岳へは約一時間と表示されている。ココから文保寺へと細い急坂を下り、覆い被さる笹の中を抜け沢筋に出るとまだ正午過ぎというのに陽は全く当たらず、薄暗い谷は霜が残り霧氷のような景観に思わず身震いがする。


30分も下っただろうか舗装路に出た。更に少し下ったところに立派な建造物が現れる。コレが文保寺観音堂らしい。松尾山、北麓に抱かれるように建てられ、この時期、陽光は殆ど届かず、イチョウの葉も霜を被り、辺りには銀杏が落ちたままになっていたので少し拾い集め、撮影用に持ち帰った。陽が当たらず寒い、日溜まりを探し遅い昼食を済ませ躰が温まったところで来た道を登り返しにかかる・・・細い登山道は、まだ2時過ぎというのに薄暗く冷える。かなり登り返した辺りで、沢の繁みから出てきた若い女がこちらにやって来る・・・「何か珍しいものでもあるんですか?」と尋ねたら、コップを持った白い手をスーッと差し出し

「また、コチラへ来られますか?」と言う。コップの中を覗いたら小さなツララが青白くキラリと光った。
「また、コチラへ来られますか?・・・」女がニッコリと、また尋ねる・・・
「いえ、もう来ることはありませんよ・・・」何故か、あの時はこう答えてしまったけれど、どうしても、もう一度
松尾山・文保寺へ出かけてみようと想う冬の宵なのだった。
↓オモロナイ
!写真がイマイチ
!・・
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