

山歩きをしていて現在いちばんよく目にするのが「マムシグサ」・・・林の、どちらかと言えば暗いところで見ることが多い、やや日陰の存在。マムシグサも
「元祖芋文化」とも言うべきサトイモ科の仲間で、マムシグサの仲間だけでもかなりあるらしい。先日も友人から写メールを頂戴したのだけれど、画像を見れば「マムシグサ」であるコトは解ったけれど「ハリママムシグサ」という名前の草だと書かれていた。・・・・・「ハリママムシグサ」?マムシグサとその仲間もかなり見てきたけれどこんな名前を聞くのは初めてだった。即、検索してみたら、勿論、多数の関連項目がアップされ、絶滅危惧種Aランクであることも初めて知った。いわゆる「マムシグサ」との違いはどうなのかと調べてみたが、これがあまりハッキリしない。いちばん解りよい相違点は“花期”の違いで、一般的にマムシグサは4,5月頃が花期であるのに対して「ハリママムシグサ」の場合は3月頃と1ヶ月ばかり早いらしい。兵庫県の数少ない特産種(地球上で兵庫県にのみ生育)で、神戸市と播磨だけに分布し兵庫県レッドデータAにランクされている。マムシグサは丘陵地の谷筋などに生育する多年草で、茎には褐紫色の模様があり、これがマムシの皮膚の模様に似ているのでマムシグサと名づけられ、ハリマの名は、兵庫県播磨地域の南光町で初めて見つかったことによるらしい。

私とマムシグサの出会いは10年も前になる。他の草花に比べて大きくナニやら特異な雰囲気を漂わせるこの草が気になり、調べていくうちにマムシグサの不思議は膨らむばかり・・・マムシグサは地域変異が多くて分類がややこしく、学会でも混乱しているらしい。 私がマムシグサにそそられることになったいちばんの原因は
“性転換をする植物”であるということなのだった。植物には雄株や雌株があることは知っているけれど、マムシグサの不思議は同一株が雄になったり雌になったりするという・・・簡単に言えば、小さな株は雄で、栄養状態が良くて大きくなると雌になり、また、栄養状態が悪化し小さくなれば雄に戻ることもあるというから、単純といえば単純ではあるけれど不思議は尽きない。こんな変わった花も花粉の運び手を呼び昆虫がやってくるという・・・自然界は良くできている。マムシグサの花粉の運び屋はハエの仲間で、この花にもハエを惹きつけて止まない“チャームポイント”があるというワケなのだ。
◆ハリママムシグサ(
六甲山花紀行)
◆ハリママムシグサの画像(六甲山花紀行)◆ハリママムシグサの画像(六甲山花紀行)
マムシグサの花と花粉の運び屋、ハエとのファンタスティックな物語はココに詳しい↓
◆マムシグサとサトイモ科の肉穂花序
◆仏炎苞の開口部から入った虫は、附属体の裾に阻まれて逆戻り出来ない。雄花序の仏炎苞の基部(左)には小さなすきまがあって、花粉を体につけた虫の出口となる。雌花序の仏炎苞の基部(右)は、堅く閉じていて、虫は出られない。
◆開花期が終わったころの雌花序の仏炎苞をめくると、閉じこめられたハエ類の死体が見られる。
◆秋になり葉が枯れるころには、ハエの犠牲によって受粉した雌花は赤い実に変わっている。
◆仏炎苞の開口部から入った虫は、附属体の裾に阻まれて逆戻り出来ない。雄花序の仏炎苞の基部(左)には小さなすきまがあって、花粉を体につけた虫の出口となる。雌花序の仏炎苞の基部(右)は、堅く閉じていて、虫は出られない。
↓オモロナイ
!写真がイマイチ
!・・
click!
- 関連記事
-