
(福光村昆虫記)
ベッコウシリアゲもなんでもないときによく現れる・・・この特徴のある口吻で弱った昆虫や死んだ昆虫などの体液を吸うらしい。画像のモノは♀だが♂の腹部はハサミのような交尾器があり、反り上がっているが、♀にはなく先端は尖っている。オスは何故かあまり見ることがない・・・年に2回発生し、5月頃に出てくるのは黒い個体で、夏以降に発生するものは体も翅もベッコウ色になるのだという。♂は♀にエサを与え、食べている間に交尾する習性があるというけれど、蜘蛛やカブトムシ、それにカマキリに至っては身を呈してというか、我が身を食い千切られながらも交尾は完結させるといった話など、雌の食事中を交尾のチャンスとしている生き物は結構ありそうに想える・・・「メスの食欲とオスの性欲」・・・笑うに笑えぬ「宿命」を想わずには居られないのは、エロボケのセイだけではないように思うのだが・・・。ベッコウシリアゲの象の鼻のような口吻を見ると(09/11)エントリー“樹液バー”・・・スレンダーな常連客・・・の「モンキアシナガヤセバエ」の樹液を吸う姿がダブり、 “昆虫”と言えばトンボやチョウ、それにカブトムシ、クワガタなどを想像しがちなのだけれど、あまり意識したこともなかったハエ目(双翅目)の昆虫は想像以上に身近な存在であったことを再認識・・・ハエは食餌を「吸う」のか「舐める」のか・・・あの個性的な口吻を想うとき、また、どうでもエエようなことが気になってしまうのだった。
ハエの口吻
◆ハエの口吻(こうふん)は、 唇弁(しんべん)とよばれる特殊なかたちをしています
(顕微鏡写真2007年度 | 医学生物学電子顕微鏡技術学会)
結果は、「象のようによく伸びる口吻で蜜を舐めまくっていました・・・」というのが、エロボケ爺のどうでもエエ疑問に対する「答え」なのだが、学者という人種の偏執的で無機質な?・・・と言ったら失礼か・・・“動物行動学”という学問上、冷静な行動観察記録である筈の記述が、時として醸し出す・・・「嗚呼・・・なんと人間的な、あまりにも人間的な・・・」観察眼と、その記述に「動物行動学に熱心な学者さん、アンタが奥さんとキスしたいちばん近い日はいつでしたか?・・・」と思わず訊きたくなってしまう“午後の紅茶”なのだった・・・。吸う口では、カブトムシやハエのようになめるものとチョウのようにストローのような口で吸うものがいます。ここで、問題なのは、本当に吸っているのか?ということです。人間は、口で呼吸していますから、吸うということができますが、昆虫は腹部にある気門で呼吸しているため、口には吸う力はありません。実は、2本のストローのような口を離したり押し当てたりして、水の表面張力で汲み上げているのです。
なめる口は毛細作用により汲み上げています。(ムクノキ)
(萩博ブログ : 昆虫講座1~昆虫の口~)
「キスをするハエ」 大八木 昭 (Akira OOYAGI) 2005/10/10登録
配偶行動は用水路のそばのヨモギやヨシなどの混在するところのオオハンゴンソウの葉上で見られた。
オスは翅を開閉させ追尾し、メスは体軸をかわすことが繰り返される。メスが翅を低くし、体勢を低く構え交尾に至る。メスが翅を開閉しはじめると、口吻を接する行動にうつる。キスのようである。連続キスのあとオスは口移しに液体をメスに与える。またキスの後、両者は翅を大きくひろげる。これが数回続く。二匹は離れて、メスが尻から液状のものを葉につける。メスはそれ舐めてまた追尾行動から、延々と繰り返される。
次の行動に移るときのサイン刺激となっている行動はほとんどメスからのものではなかろうか。このハエは人類史以前からキスをしていたのだろう。キスの起源はここにあるのかなどと思わせる。
(データ番号:momo051009ra01b)
( ダイズコンリュウバエの配偶行動)
◆動物行動の映像データベース
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