
青い蜂、ルリモンハナバチ撮影の合間に撮ったコオロギの幼虫・・・・・といっても、子供の頃からコオロギに興味を持ったという記憶もなければ知識もない。コオロギの鳴く季節になれば、その「鳴き声を聴いたことはある」という程度のコトでしかなく、「しみじみと耳を傾けた」ことなどあったのかどうか・・・あまり記憶にはない。ただ、昔の家にはコオロギがよく入って来ていた。コオロギだけではない、ムカデやヘビ、それに「スキマ風」など色んなモノが往き来自由といった感の住居なのだった。寝静まった頃に、突然、キリッキリッキリッリッリッ・・・と、(確か、こういう風に聞こえた・・・)澄んだ声が、闇の中から聞こえてきて「あ~っ、コオロギや・・・!どこに居るんやろ?」といったようなことはよくあったけれど、コオロギにこれほど多くの種類があることは初めて知った。それに、私たちが単に「コオロギ」と呼んでいるモノが「ツヅレサセコオロギ」であるらしいのだ。“ツヅレサセ”の“ツヅレ”は「綴れ」であり、“サセ”は「刺せ」であって、鳴き声が、「針刺せ、糸刺せ、綴れ刺せ」とか「肩させ、裾させ、ツヅレさせ」と聞えるというコトから、この名があると言われ、「ツヅレさせ」の「ツヅレ」とは何か、古い布地を細長く裂いて横糸にし、麻や木綿糸を縦糸にして織った厚手の織物で、山野の仕事着や防寒着に利用した「裂織サキオリ」のことを、地域によってサクオリ、サッコリ、ツヅレなどの呼び名があるので、実は「裂織」のことだという話もあるらしい。いずれにせよ、このコオロギの鳴き声が聞こえたら冬に備えて冬物衣料を繕うコトを思い、虫の活動にも季節を感じながら生活をしていた昔の人のことが偲ばれるという話なのだった。ツヅレサセコオロギ(終齢幼虫)
バッタ目(直翅目)コオロギ科
(おおきくなあれ!)
日中は土の中に隠れているらしい。動物の死骸や腐食物を食糧として好むようだが、生きている昆虫を襲うようなことはないという。直翅目、つまりバッタ、コオロギ、キリギリスの類は後肢の先の方、人間で言えば踵カカトの辺りに耳を持ち、コオロギ、キリギリスにとって聴覚は異性からの呼び声、同性からの威嚇、警告、警戒信号を受け取る大事な感覚であり、しかも、相当鋭敏に出来ているらしい。コオロギに成り代わることも儘ならず、肢についた耳に音がどう聞こえるのか解りようもない。「ツヅレサセコオロギ」は身体も2cm程度と中型で顔つきもオーソドックスだ・・・といった記述もあるけれど、コオロギのオーソドックスでない顔がどんなものなのか、想像もできないので「コオロギの顔」をチョット見たけれど、昆虫の顔もいろいろあって面白い・・・。
「虫のこえ」、歌詞の二番の冒頭で、「きりきりきりきり きりぎりす」の「きりぎりす」が「こおろぎや」に差し替えられるバージョンがあるが、これは『枕草子』などの古典の時代の頃からキリギリスとコオロギが取り違えられていたとの説に基づくものである。
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あれ鈴虫も 鳴き出した
りんりんりんりん りいんりん
秋の夜長を 鳴き通す
ああおもしろい 虫のこえ
きりきりきりきり こおろぎや(きりぎりす)
がちゃがちゃ がちゃがちゃ くつわ虫
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◆虫のこえ(虫の声) 日本の民謡・童謡・唱歌 歌詞と試聴
童謡「虫の声」に登場するコオロギの泣き声(きりきりきりきり )はカマドコオロギであるとのこと。
◆カマドコオロギ鳴き声( .WAV)(日本のコオロギ類の鳴き声)
◆ツヅレサセコオロギ鳴き声( .WAV)(日本のコオロギ類の鳴き声)
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