
降り続いた雨の合間に里山を歩いたら、朝まだ早いというのにタヌキにであった。オスとメスのカップルで居たようだったけれど、一頭は早々と逃げる足音がした。確か、タヌキは夜行性の筈、そうとばかりも言えないのは時代?のせいか・・・“昼間のタヌキ”を目撃するのは数年前、但馬の東床尾山で目撃して以来なのだった。タヌキといえば“タヌキ寝入り”とか“キツネとタヌキの化かし合い”など人をたぶらかすイメージや比喩で捉えられることがあるけれど、私の知る限りでは、「悪意に満ちたタヌキ」として登場するのは「かちかち山のタヌキ」辺りまでで、現在イマでは、オスしか居ないのかと思うほど立派なキンタマを誇らし気に露出し続けることで市民権?を得ている「信楽のタヌキ」など、どちらかといえばユーモラスなイメージとして登場することの方が多くなっている。キツネとタヌキのどちらにより悪意というか、性悪なイメージを抱くかといえば「女ぎつね」や「キツね目の男」などいうまでもなくキツネだろう・・・いずれにしろ、キツネとタヌキは“対”で登場することが多く、よく知られているのは「うどんとソバ」のメニューではなかろうか。・・・関西ではというより、大阪ではと言った方が正しいのかも知れないけれど・・・油揚げを乗せたうどんを「きつね」、そばを「たぬき」と呼ぶ(「きつね」、「たぬき」とだけ呼び、「うどん」や「そば」は付けない)。油揚げを乗せたうどんを「きつね」と呼ぶのに対して、「きつね(料理名)」の麺(うどん)がそばに化けたので、「たぬき」と洒落て名付けたという説が有力である。したがって「たぬきうどん」「きつねそば」という名称は存在しない。ただ関東では、揚げ玉(天かす)のみを乗せたウドンやソバを、それぞれ「たぬきうどん」「たぬきそば」と呼んでいるようだ。天かす(天ぷらのかす)には「タネ」がない、つまり「タネ抜き」がなまって「たぬき」となったということらしい。また、油揚げを乗せたそばは「きつねそば」と呼ぶらしい。ちなみに関西では、天かすを乗せたウドンやソバの名称は「天かすうどん」「天かすそば」、または「ハイカラうどん」「ハイカラそば」、「揚げ玉うどん」「揚げ玉そば」などと呼ばれ、天かすは無料の店では、天かすを乗せたウドンやソバには特別な名称はないらしい・・・なんとも、ややこしい「ウドンとソバ」に関するキツネとタヌキな話なのだった。
【タヌキ汁の話】
日本でもかつては「タヌキ汁」として食べられたという記録が数多く見られます。しかしタヌキの肉はとても臭みが強いそうで、食べる際にはワラにくるんで一週間ほど土に埋め、2時間ほど流水にさらした後に、ショウガやニンニクなどの薬味を使ったり、みそ鍋にしたりして臭いを消さないと食べることは難しいそうです。過去の文献などにはよくこのタヌキ汁が出てきますが、美味しかったといわれているものは、実際にはタヌキの肉を使ったものでなく、アナグマを鍋にしたものの間違いがほとんどであると考えられており、ここでもタヌキとアナグマの混同が問題となるようです。
(動物異聞録)
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