
体色も個体差があり、黒化型 緑銅色の光沢を持つハンミョウ 翅の斑紋は変異が大きく、全くない個体もいる。 成虫は5~9月に出現。
今日(5/23)約8kmの尾根筋山歩でも「ミチ教え」、即ち、「ハンミョウ」が幾度となく現れては消えたけれど、アノ派手で艶めかしい彩りのものではなく、いずれも、地味というか渋い方のハンミョウ、「ニワハンミョウ」だった。ハンミョウ、漢字では「斑猫」と書く。
むら【斑】=色の濃淡、物の厚薄などがあって不揃いなこと。物事の揃わないこと。一様でないこと。「染めに―がある」「気分に―のある人」
「斑」の読みは「ふ」、「はん」、「まだら」、「まばら」、「ぶち」、「むら」とあり、
「猫」は「ねこ」、「びょう」、「ねこま」とあるけれど「みょう」は無い。
「みょう」は「びょう」が訛ったモノと考えるのが妥当か・・・。
「ふねこ」、「ふびょう」、「ふねこま」・・・「ふねこ」
「はんねこ」、「はんびょう」、「はんねこま」・・・「はんねこ」
「まだらねこ」、「まだらびょう」、「まだらねこま」・・・「まだらねこ」
「まばらねこ」、「まばらびょう」、「まばらねこま」・・・「まばらねこ」
「ぶちねこ」、「ぶちびょう」、「ぶちねこま」・・・「ぶちねこ」
「むらねこ」、「むらびょう」、「むらねこま」・・・「むらねこ」
「怪猫(かいびょう)」、「愛猫(あいびょう)」はあるけれど「班猫(はんびょう)」は無い。
・・・「まだらねこ」、「ぶちねこ」、「むらねこ」が使いようでは笑えそうや。。。虫(ニワハンミョウ)の話からネコへ横滑りしてしまったけれど、地味な「ニワハンミョウ」が安部公房の文学作品に登場するというから興味は尽きず、機会があれば一度は読んでみたい。

主人公とニワハンミョウの関係が語られる。砂地にすむ昆虫の採集が、男の目的だったのである。けろん、砂地の虫は、形も小さく、地味である。だが、一人前の採集マニアともなれば、蝶やトンボなどに、目をくれたりするものでない。彼等マニア連中がねらっているのは、自分の標本箱を派手にかざることでもなければ、分類学的関心でもなく、またむろん漢方薬の原料さがしでもない。昆虫採集には、もっと素朴で、直接的なよろこびがあるのだ。新種の発見というやつである。
ある日、家の近くの河原で鞘翅目ハンミョウ属の、ニワハンミョウに似た、小っぽけな薄桃色の虫を見つけたのだ。むろんニワハンミョウに、色や模様の変わりものが多いことは、周知の事実である。しかし、前足の形ということになれば、話はまた別だ。(中略)そいつの前足ときたら、まるで分厚い鞘をかぶせたように、もっこりとしていて、黄味がかかっていた。(中略)彼の見間違いでなければ、これは大変な発見になるはずのものだった。ただ、残念なことに、取り逃がしてしまったのである。(中略)
こうして彼は、その黄色い前足をもったニワハンミョウに、すっかりとりこにされてしまったのである。
(生きものがたり図鑑: 「砂の女」)
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