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Aladdin's cock

日かげ いつか月かげとなり 木のかげ・・・山頭火       
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黄色い花咲く山は・・・

ミヤコグサミヤコグサミヤコグサ マメ科 ミヤコグサ属
(【植物図鑑・撮れたてドットコム】)
 久しぶりに朝早くから山道を歩いてみたら、朝露にキラリと光る黄色い花、ミヤコグサ・・・どちらかと言えば雑草扱いされている草花のひとつで、珍しくもない花なのだけれど朝日を浴びてキラキラするさまはベツモノに見える。腹這いになった草叢はまだシットリと濡れ、露が染み上がってくる。黄色い花は綺麗に捉えるのが意外に難しく、微妙なディティールが飛びやすい。花の撮影は白や黄色の花に限らず薄曇りがベストか。

キンランキンランキンラン(金蘭) ラン科キンラン属(神戸・六甲山系の草本図鑑)
この春は“山の神”かと思うような“おんな”によく出くわす・・・伝説によれば「山の神は醜女」だったというのが通説になっているけれど、出遭うのは皆いい女だから恐い。恐い、コワイといっても落語にある“饅頭コワイ”とはちょっとワケが違う・・・みんなそれなりにいい女でありながら「コワイおんなたち」なのだった。もうひとつの黄色い花、キンランの咲く場所へ案内してくれたのも、そんな女のひとりで・・・あれは「・・・やはり山の神ではなかったか・・・」と、セイロンティーの香りに酔い痴れるエロボケ老人の朝なのだった。

おこぜと山の神

  山の神さまは、山のとりもちの大木にすんでいる、とてもはずかしがりやの女の神さまでした。
 ある年の春のこと。
 今年もぶじに田植えが終わったので、村人たちは山の神さまをおむかえに、そろってとりもちの木の前にやってきて、おいのりをささげました。
「またせたな。わらわは、山の神なるぞ」
 山の神さまは、いつもの年のように里に出ると、田を守る田の神さまとなって、植えたばかりの田んぼの見まわりをしていました。
 ところがそのとき、
「おっとっとっと・・・」
 どうしたはずみか、石につまずいて、神さまは小川に落ちてしまいました。
「あっ、神さまっ、だいじょうぶですか?」
 そのとき山の神さまは、ふと、水にうつった自分の顔を見てしまいました。
 その顔のなんとみにくく、おかしいこと。
「あやっ。これがわらわの顔かや。こんな顔がわらわの顔じゃったとは、おう、はずかしや、はずかしや」
 おどろいた山の神さまは、顔をかくしていちもくさんに走って、山へにげ帰ってしまいました。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
 わんわんなきさけんで、そのまま、ほこらにとじこもってしまいました。
 山の神さまが見まわりにこなかったので、植えたばかりの田んぼの苗(なえ)はかれはじめました。
 それだけではありません。
 村じゅうの畑はあれ、山の木もかれてしまい、村人たちはこまってしまいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  そして、ゴーッ! と、山ぜんたいがゆれうごき、木々がたおれ、石ころが村人たちの頭の上に落ちてきました。 


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 村人たちは、わけもわからずに、ちりぢりになって逃げ出します。
「山の神さまがおこった!」
「てえへんだ」
「にげろ!」
 村は大さわぎです。
 それを見た、このあたりではいちばんの、ものしりおばあさんがいいました。
「おまえさんたちは、山の神さまの顔を見たことはあるかの?」
「うん、はっきりじゃねえが、見た」
「みにくい顔じゃった」
「そうじゃ、そうじゃろ」
と、おばあさんはいいました。
「山の神さまはな、そりゃあ、みにくい顔をしてござっての。それをいまのいままで気づかれんかったんじゃ。ところが、それがわかってしもうて、はずかしくなって、ほこらにとじこもってしまわれたんじゃよ。そんなところに、おまえらがきれいな着物を着ておどってみせたりするもんだから、気をわるうなさるのはあたりまえじゃ。気が弱く、はずかしがりやの神さまじゃからのう。じゃから、神さまより、もっとブサイクものをおそなえなされ。そうすりゃあ、自分よりおかしな顔のものがこの世にいたのかと、大よろこびなさるにちげえねえ」
「しかし、そんなブサイクなものが?」
「オコゼ、という魚がいいじゃろ」
「オコゼ? なんじゃあ、それは」
 おばあさんが、水がめを持ってきました。
「ほれ、これよ」
 水がめをのぞきこんだ村人たちは、目をまるくし、そしてすぐに大わらい。
「ギャハハハハハッ、なんておもしろい顔じゃあ」
「おかしな顔じゃ!」
「みにくい顔じゃ!」
「ブサイクじゃ!」
 さっそく、このオコゼを持っていって、村人たちは山の神さまがかくれているほこらの前におきました。
 ほこらのとびらが、そうっとあいて、山の神さまはこちらをのぞいています。
 村人たちは、山の神さまの顔を見ないように、頭をさげたままで待ちました。
 そのとき、水がめの中のオコゼがヒョイと顔を出しました。
 オコゼの顔をジッと見つめていた山の神さまは、とつぜん大わらい。
「オホホホホホッ。これはおもしろい顔じゃあ! この世に、わらわよりおかしな顔があったのか! オホホホホホッ」
 こうして、山の神さまのごきげんはすっかりなおって、村へおりてきてくれたので、田や畑や山は、また生き生きとした緑をとりもどしたのです。

おしまい


(おこぜと山の神 <福娘童話集 きょうの日本昔話>)


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Tokira

Author:Tokira
写真、山歩き。
マイルス・デビスやチャーリー・ミンガスもいいけれど
浅川マキのセンチメンタルジャーニーにシビれるジャズ好き。
近頃は吉田日出子の「リンゴの木の下で」を聴いては
ホロリと黄昏れている・・・
時々、照れ隠しに『淫蕩火』を名乗るエロ老人。



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