

(松江の野草樹木の花図鑑)
クロモジの花が咲き始めた。“クロモジ”といえば楊枝・・・たかが楊枝、されど楊枝・・・黒文字楊枝は高級楊枝の代名詞だとは知らなかった。和菓子を食するときに、菓子を切り、口に運ぶため楊枝をつけることがある。こういう場合には一般的な丸型の爪楊枝ではなく、樹皮付きで角型、やや大きめの楊枝が用いられる事が多いのだけれど、この楊枝が現在でも“黒文字”と呼ばれているのだった。いたずらにトシを喰うばかりの低俗老人には“初めて知るコト”が多すぎて・・・京都には黒文字楊枝高級和紙包みなどというコリに凝った飾り楊枝まであるというからさすが古都、京都ではあるけれど、元祖?飾り楊枝は千葉にあった。それは久留里雨城楊枝(くるりうじょうようじ)・・・「雨城楊枝」という名で知られているという。入れ込みついでに黒文字物語を拾い集め、少しだけ並べてみた。
◆ クロモジの飾り楊枝作り・伝統工芸(久留里雨城楊枝)を参考に、飾り楊枝作り
◆ クロモジ属いろいろ(跡見群芳譜(樹木譜 クロモジ))
ところで、サカキのことですが、榊は和製漢字のようですが、
古文にサカキと書いてあっても、今の榊ではないそうですよ。
サカキを歌った古い神楽(かぐら)歌に、「榊葉の 香をかぐはしみ
求(と)め来(く)れば 八十氏人(やそうじびと)ぞ 円居せりける」と
言っていますが、今言う「榊」はツバキ科の木ですから、香りは
ありませんよね?
それにツバキですから、関東以西の暖帯林にしか生えないので、
信州・東北では地元では手に入らないですしねぇ。
神事の木ですから、神います裏山からとってくるものでしょう
から、地元で手に入らないものを神木にしたはずがないって民俗学
では言いますね。
もちろん、ツバキ科の榊が自生している地方では、榊を使った
のでしょうが、関東でもツバキ科の榊が手に入りにくい地方とか、
信州、東北ではクロモジ(黒文字)が神事に使われてきたようですね。
クロモジ(黒文字)は爪楊枝(つまようじ)とか、お菓子をとる
楊枝(ようじ)に使いますから、みなさんご存じのように、クスノキ
科の木。ですから、仄かではありますが、香りがありますよね。
クスノキ科のクロモジ(黒文字)だと、先に挙げた神楽(かぐら)
歌の、「榊葉の香をかぐはしみ・・・」と矛盾しませんね。
ええ、古代で言うサカキはクロモジ(黒文字)だと言われています。
このクロモジ(黒文字)で思い出したのですが、五平餅ってのが
ありますね。
あれ「五平餅」と言いますから、五平さんが始めた登録商標かと
思ってきましたが、あのゴヘイは神様に供える「御幣」が語源だそう
ですよ。
五平餅のスティックは信州では朴の木、街ではラワンのようですが、
もともとはクロモジ(黒文字)だったそうですね。
ええ、木の枝にダンゴ状のモチをつける飾り物の「モチ花」は
クロモジ(黒文字)の木の小枝ですから、神さまグッズとしての
ゴヘイ(御幣)の餅ではスティックはクロモジが古習俗だったらしい。
(エッセイ 湊徹彦 - メルマ!)
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