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Aladdin's cock

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メメント・モリな映画を観た・・・

おくりびと「おくりびと」
 メメント・モリな映画を観た・・・笑うと涙が流れる・・・といっても、笑い過ぎて涙がこぼれる、アレではない・・・不思議な気分にさせられた。ストーリーが、とてつもなくドラマティックで感動的だというワケでもない。ただ、この映画は、当然のコトとして“死者の姿”“納棺”のシーンが頻繁に登場する。そこで色んな人たちの“死者の納棺”が展開されていくのだけれど、親族の見守る中で執り行われる「納棺の儀」は死体を拭き上げ、アナという穴すべてに綿を詰め、化粧を施し、着物を着せ替え、硬くなりつつある関節をホグしながら胸の上で組み、数珠を掛ける、これら一連の作業が、流れるような所作で「プロの技」として展開されて行く・・・茶道のお手前のように。無論、この間、納棺師は無言でコトを運ぶ・・・家や家族によって多少の違いはあるにせよ、こんなシーンを繰り返し観ているだけで、苦笑いしながらも涙を滲ませてしまうのは人間の「生と死」・・・多くを語らずとも、誰にも身に覚えがあり、身に詰まされるせいなのだろう・・・。

私が若い頃は、まだ、縁者が集まり腰にワラ縄を絞め、冷や酒を呷ってから“湯棺”という「納棺の儀」を執り行っていた記憶がある。「湯棺」というのは、死者の体を拭き清め、全身のアナに綿を詰め、死化粧を施して、納棺するまでの一連の作業を指し、棺には死者の生前愛好した品を一緒に入れ、女には化粧を施し男は髭を剃り、顔には生気が漂うとまではいかないけれど、ヨソ行きの感じにはなったような・・・記憶がある

仕事を終えたアトで、山崎努、扮する納棺師とその弟子が、骨付きの鶏肉やふぐの白子を喰いながら呟く台詞・・・「美味いんだよなァ・・・困ったことに・・・」が、なんとも象徴的で小気味よかった。

IMG_3350.jpgIMG_3358.jpg「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ。」 昔、こんなキャッチコピーの新聞広告があったのを記憶している人も結構あると思う。あれは確か、サントリーの新聞広告だったと記憶しているが、かなりのインパクトがあった。これは、知る人ぞ知る藤原新也氏の写真集「メメント・モリ」の写真とコピーをそのまま掲載したものだったはず・・・記憶は怪しいが、この写真に関わるパロディーかなんかで物議を醸したことがあったように思う。いずれにせよ藤原新也氏の文章は凄い。IMG_3354.jpg

「メメント・モリ・・・死を想え!」
ザッとこんな調子なのだ↓

死人と女には花が似合います。

死体の灰には階級制度がない。

アノ人骨を見たとき、
病院では死にたくないと思った。
なぜなら、
死は病ではないのですから。

ありがたや、ありがたや、
一皮残さず、骨の髄まで、
よくぞ喰ろうてくりゃんした。

花を真似た花は、花より愛しい。
赤子を真似た赤子は、赤子より愛しい。

ニンゲンは自然をよく真似る、女はとくにそうだ。
海の方の女は気性の荒い一面がある。
それは海のせいだ。
山の方の女はえてして優しい、それは植物のせいである。
自然を真似た女は畏い、そしてやさしい。
自然を真似なくなった女は、
狂う。


(memento mori ~死を想え~|藤原新也)







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コメント

「おくりびと」という仕事は過酷

■Tokiraさま。
お早うございます。
「おくりびと」という映画は私はまだ見ておりません。
賞を受けたので世界的な話題になっておりますが、「納棺師」というのは、葬儀屋が抱えているものでありまして、独立した職業として自立したものではありません。
私の知人に葬儀屋をしている人がおりますが、仕事が終って自由な時間があると、しょつちゅう「酒」を飲みに行っていました。彼いわく、酒でも飲んで発散しないと神経がやられてしまう。
人の死にまつわる仕事というのは、やはり過酷なものです。
藤原の本も、私は未読ながら、あなたが仰言るように「メメント・モリ」の標題の通り、人間の死の諸相から書いたものと思います。インドのベナレスのガンジス川に行くと、地獄の沙汰も金次第そのままの様子を目にします。
いい記事をお載せいただき有難うございます。
では、また。
2009/03/07 【sohya】 URL #- [編集]

sohyaさん、コメントありがとうございます。

老人の孤独死や事故死の報道を見聞きする度に、身に詰まされています。
居心地の悪い世の中になったものです。
2009/03/08 【Tokira】 URL #VL3GinqI [編集]

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Tokira

Author:Tokira
写真、山歩き。
マイルス・デビスやチャーリー・ミンガスもいいけれど
浅川マキのセンチメンタルジャーニーにシビれるジャズ好き。
近頃は吉田日出子の「リンゴの木の下で」を聴いては
ホロリと黄昏れている・・・
時々、照れ隠しに『淫蕩火』を名乗るエロ老人。



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