

今、チョット話題になっている映画「東京家族」を観る機会に恵まれた。山田洋次監督が、名匠・小津安二郎の「東京物語」(1953)にオマージュをささげた作品とも言われていて「東京物語」の舞台を現代に移し、老夫婦と子どもたちの姿を通して、夫婦や親子、家族の絆と喪失、老いや死についての問いかけを描いた作品になっているのだが、物理的な距離や会えない時間が、どれほど高い壁を作っていくか、家族をいかにして壊していくかが描かれている。家族だから、あるいは血がつながっているから解り合えるハズだという思い込みが、思いがけない結果につながることもあるという話は、今や、ナニも珍しいことではない。年老いることの幸せと不幸、どちらも含めて人生なのだ・・・恒例になっている“今年の漢字”に「絆(きづな)」が選定されたのは2011年・・・東日本大震災で未曽有の被害をうけ、他にも台風などの災害が発生。大規模な災害の経験から家族や仲間など身近な人々との絆を感じるコトになったというワケなのだが、
絆=ハン、バン、きづな、つな(ぐ)本来は、犬・馬・鷹などの家畜を、通りがかりの立木につないでおくための綱。しがらみ、呪縛、束縛の意味に使われていた。「ほだし」、「ほだす」ともいうが、所変われば品変わるではないけれど、「絆」にはこんな解説もある・・・
「中日大辞典」(大修館)には、「絆」(ban)は主に動詞として、次のように解説されている。(1)(足を)すくう、(わななどに)ひっかける(かかる)。(2)じゃま(妨げ)になる、まつわりつく。(3)きずな、拘束。(4)わな。・・・などとあり、“きずな”も無くはないけれど、日本語のニュアンスとしては「腐れ縁」が近いように思う。
「絆」が人と人との結びつき、支え合いや助け合いを指すようになったのは、比較的最近のコトらしい。「東京家族」で流れていたショパンの「別れの曲」が美しく響く・・・。
東京物語 (日本語字幕)
↓オモロナイ
!写真がイマイチ
!・・
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