





◆アサギマダラ(チョウ目 タテハチョウ科 マダラチョウ亜科)アサギマダラの会の記録によれば以下のような経路を辿っている。
和歌山県日高町西山 2011年10月10日(標識・放蝶)
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高知県香美市香北町谷相白尾林道 2011年10月20日(再捕獲・再放蝶)
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中国・香港 2011年12月31日(再捕獲:Colleen Chiu)
「過去最長の移動距離は長野県―台湾間の約2300キロ。今回は間違いなく、それを上回っている」と指摘した。(2012年1月7日 香港時事)
=昆虫エクスプローラ=
・・・消え始めていた「アサギマダラ」の記憶を甦らせようと復習してみた・・・
浅黄色(淡青色)とは、蝶の写真で薄青色の透き通りそうな部分の色を指し、この色の言葉が生まれた背景には、参勤交代で江戸に上ってきた地方の侍が、普通何度も染めて出す藍色を1、2 回で済ませた安い「浅葱木綿」を羽織の裏地にしたので、田舎侍を馬鹿にして「浅葱裏」と呼んだことからきているそうだ。アサギマダラの本州での食草はキジョランやイケマ、などガガイモ科の植物で、路傍でよく繁茂している植物。いずれも毒があり、これを食べているアサギマダラには他の昆虫や鳥も近づけないのだ。
春から夏にかけては本州等の標高1000メートルから2000メートルほどの涼しい高原地帯を繁殖地とし、秋、気温の低下と共に適温の生活地を求めて南方へ移動を開始し、遠く九州や沖縄、さらに八重山諸島や台湾にまで海を越えて移動する。地球の温暖化が進んでいることも解ってきていて、近年、移動の時期がどんどん早くなる一方、日本では東北地方あたりが北限だったものが、今では北海道・函館山あたりがアサギマダラの名所になってきているという。少し前まで「アサギマダラは平地では5月ごろに成虫が現れ、夏は平地では見られず、山地へ集まる。そして、秋になると再び平地に見られるようになり、冬でも枯れないキジョラン(鬼女蘭)だけで幼虫越冬をする」と考えられていたけれど、移動のルートが判明し始めるとともに、どうも大空に蝶たちが通う「蝶の道」があるのではないかと推測されはじめているようで、行きと帰りでルートが違うことも明らかになってきているという。
蝶を数えるとき、1匹、2匹、又は、1羽、2羽と数えてしまうが、正式には1頭、2頭と数えるらしい。この数え方は、大型動物のような数え方なのだが、明治のはじめに海外から標本が入ってきたとき、ばらばらになった欠陥品が多く、正確な数がわかる頭の数を数えるようになったコトから来ているらしい。だが、「頭」ではしっくり馴染まないので、今は1匹、2匹が多いという・・・結局、どちらでもいいと言うことか。
小さな蝶が日本列島を縦断、さらに南の沖縄や台湾、香港まで2000キロ㍍以上を飛んでいく。翌年春には、その逆のコースを日本に渡って来るという。近年、その不思議な旅が、更に明らかになりつつあるようだ。知らなければ野鳥も昆虫も植物も、ただ自然の一部に過ぎないけれど、ひとたび知識を得ると、そこからファンタスティックワールドへの扉が開かれ、いろんなことを教えてくれる・・・アサギマダラの話に興味が尽きるコトはない。

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