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Aladdin's cock

日かげ いつか月かげとなり 木のかげ・・・山頭火       
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紫式部咲く頃・・・

2018-12-05181218-121921-IMG_67122018-11-27_20181221154430ba9.jpg2018-12-05181218-122221-IMG_67212018-11-27_20181221072007a38.jpg 冬の赤い実、鵯上戸・・・ヒヨドリジョウゴ、ナス科のつる性植物。こんな風
に冬枯れの木立を歩いていて、思いがけずかわいい果実を見つけるとうれしくなる。ぱっと目を引くため、赤い実は冬に多いのかな?と思ってしまう。でもよく考えるとイチゴやさくらんぼ、トマトなど、赤い実は一年を通じてなっているものだ。夏の終わりには、緑の葉陰にうつむいた白い花が咲く。やはり、他に目を引く花などが少ないからだろう。花の少ない時期であれば、地味な植物にも注目が集まると言うものか・・・ヒヨドリジョウゴの赤く熟れた果実はいかにも美味しそうなのに、ジャガイモの芽のソラニンと同じ有害成分があり食用にならない。鳥も食べない毒の実は、葉も枯れた冬の間ずっと残っている。ヒヨドリジョウゴは何のために赤いのだろう?有毒植物の例に漏れず、適切に用いると薬にもなるようだ。中国の古書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」や日本の古書「本草和名(ほんぞうわみょうに紹介されている。赤く熟れた果実はいかにも美味しそうなのに、ジャガイモの芽のソラニンと同じ有害成分があり食用にならない。鳥も食べない毒の実は、葉も枯れた冬の間ずっと残っている。ではヒヨドリジョウゴは何のために赤いのだろう?中国の古書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」や日本の古書「本草和名(ほんぞうわみょう)には、有毒植物の例に漏れず、適切に用いることで薬にもなるという記録がある。


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亀甲白熊で学ぶ、「誰がために花は咲く」のか・・・

キッコウハグマキッコウハグマキク科モミジハグマ属余り日の差し込まない林床に生育する小さな多年草です。
キッコウハグマキッコウハグマ葉は地際に輪生状につけ、葉は小さく、長さ1~3cmの5角形状です
キッコウハグマキッコウハグマが、時に浅く5裂する。葉には、葉身の2倍ほどの葉柄があり、葉柄が長く見えるのが特徴。初秋~秋に、10~20cm、時に30cmにもなる細い茎を立てて、その周りに多くの花をつけることもあるが、ほとんどの場合、花は開花せず閉鎖花(開くことなく自家受粉する花)なのだ。稀にだが、開花すれば花は密にくっついた3個の花からなり、それぞれ花弁を形成し、裂片はとても細く、全体としては径1cm前後で、15個の細い花被片から成っているように見える。亀甲白熊は多肉植物(たにくしょくぶつ)。植物体の一部(果実を除く)が、多肉質の貯水組織となり、乾燥に強い植物なのだ。トウダイグサ科、ガガイモ科、ユリ科、リュウゼツラン科などに多く、またツルナ科、ベンケイソウ科、サボテン科、ではほとんどが多肉植物である。他にもキク科、キョウチクトウ科、フウロソウ科、ブドウ科なども多肉植物を含むが、裸子植物、シダ植物にはほとんどみられない。また、多肉化の程度の著しいものを高度多肉植物、あまり多肉化せず一般の草木に近いものを低度多肉植物と言い、閉鎖花(へいさか)とは、花の一部もしくは全体が開かず、自家受粉してしまう現象のことを言う。わが国では、牧野富太郎博士により11科14属19種がリストアップされているそうで、有名なのはスミレやホトケノザがあげられ、また地中に閉鎖花をつけるものもあるらしい。


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竜脳菊の花が咲いた・・・ 

リュウノウギクリュウノウギクリュウノウギク(竜脳菊)はキク科キク属の多年草。いわゆる野菊の1種。秋遅くに花をつける野菊で、ヒョロッとして頼りないが、とてもキクによく似たものである。 花期は10 - 11月。ヨメナやノコンギクなどよりは遅い。花は茎の先端に単独か、せいぜい2 - 3個だけ着く。径2.5 - 5cm、外側には白い舌状花が並び、真ん中の管状花は黄色。舌状花は楕円形でヨメナなどよりずっと丸みがある。リュウノウギクはキク科キク属の多年草。野菊の1種。ひょろしとして頼りないが、キクによく似たものだ。いわゆる「野菊」の仲間ですが、他の野菊の仲間が初秋から秋早くに花をつけるのに対して、リュウノウギクは晩秋に花をつけ、茎や葉の香りが、中国から伝わった竜脳(リュウノウジュから採れる精油)という香料に似ている事に由来する。実際には樟脳に近い香りで、成分としても樟脳が多いとのことである。・・・(ウィキペディアより)。この菊を観るために、初秋から池畔の岩壁をよじ登り、撮影していた頃が懐かしい。今回は頼りない足元を踏み締めながら撮影。特徴のある葉、そして花・・・秋の匂いがした。




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薙刀香需(ナギナタコウジュ)・・・日本ミツバチの訪花

ナギナタコウジューニッポンミツバチナギナタコウジュ薙刀香需(ナギナタコウジュ)という不思議な名前の花がある。花の立ち姿のカタチがナギナタコウジューニッポンミツバチナギナタコウジューニッポンミツバチ似ているところから来ているらしいコトは想像がつく。それにしても珍しい
ナギナタコウジューニッポンミツバチナギナタコウジューニッポンミツバチ花ではある。ただ撮影となれば麦畑に起つ、麦の穂を纏めて撮っているようで、なんとも整理のつかない乱雑な画像になった。近頃は何もかもが乱雑で脳ミソの記憶力と思考力の衰えは際立っているように想う。いよいよココまで来たか・・・・・。







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梅鉢草の白い花・・・

ウメバチソウウメバチソウ 梅鉢草の真っ白い花が咲き始めた。弾けそうな蕾のクリアなホワイトカラー
ウメバチソウウメバチソウが際立つ・・・。ともすれば飛びそうになる微妙なグラデーションが気になるけれど、白内障未治療の耄碌爺、現在の眼力では如何ともし難い。「まぁ、イイか!?」の現状納得画像で、ヨロシク!!先日来更新した小生のブログ記事に拍手など頂戴致しておりました皆様には、変なトラブルに巻き込まれ、折角の拍手を無為にしてしまいました。なんとか補修はできたと思っていますので、今後とも懲りずにヨロシクお願いします。
秋の月さん、いつも歌をありがとう。今回も無断で転載させて戴きました。

     山路来て 野辺の草むら
          白き花 梅鉢草の 乙女の祈り・・・秋の月




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現の証拠・・・

2018-10-09181007-131041-IMG_5346.jpgゲンノショウコは、全国各地の日当たりのよい山野でよく見かける、フウロソウ科の多年草です。古くから腹の薬として利用されてきました。煎じて飲めば下痢は直ぐ治まるというので「現によく効く証拠」と云う意味でゲンノショウコと呼ばれるようになったといわれ、ドクダミやセンブリと共に日本の三大民間薬草」としてよく知られています。民間薬とは、文字が使われないような古い時代から、口伝と経験から生活の中に取り入れられ、伝えられてきたものです。胃腸病の民間薬では、有名な「陀羅尼助」(だらにすけ)があります。7世紀末頃疫病が大流行したとき役行者(えんのぎょうじゃ)が、山にあるキハダやゲンノショウコなどを用いてこの薬を作り人々を救済したと云われ、以来、大峰修行の山伏達によって広まったそうです。7世紀末・・・今から1300年も前、それが現在でも胃腸薬として用いられているということは、まさしく“ゲンノショウコ”なのでしょう。

このように民間薬から作られた薬を、漢方薬に対して和漢薬と言うのだそうだ・・・耄碌爺は知らないことだらけ。







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アキチョウジの花・・・

アキチョウジアキチョウジ 里山を行けばブルーの花が眼を惹く。風にゆらぐ小さな花はアキチョウジ。
ツリガネニンジンツリガネニンジンもう一方のツリガネニンジンは花も馴染みがありよく知られている。



アキチョウジとは
シソ科ヤマハッカ属は日本、中国、東南アジア、ヒマラヤ、アフリカなどに100種以上が分布し、日本では7種が知られます。 そのなかでも、アキチョウジは日本の本州(長野県より西)、四国、九州に分布し、毎年花を咲かせる多年草です。山野のやや湿り気のある明るい木陰に自生します。 風情のある草姿で、園芸的には山野草として鉢花、もしくは茶花として利用されます。
草丈は70cm-1m、茎の断面は四角形(シソ科の植物によく見られる特長)です。花の咲く時期は主に秋、花茎を伸ばして、長さ2cmほどの青紫花が向きをそろえて咲きます。花は筒状で先端が上下にぱくっと開きます。花の形が丁子※に似ていて秋に咲くところからこの名前があります。

※丁子(丁字)…丁子という樹木のつぼみを乾燥させたもので、スパイスや漢方薬として用いられます。ここでは花の形がそれに似ているということで、直接的に「丁」と言う字の形に似ているという意味ではありません。そのばあいは「丁字」と書いて「ていじ」と読みます。
アキチョウジの仲間
()は学名 R.はRabdosiaの略

セキヤノアキチョウジ(R.effusa)
関東西部から愛知県東部に分布、アキチョウジに非常によく似ていますが、葉の形や花柄の長さで区別が付く。
やさしい園芸より転載






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ふらり道草 百代草(ももよぐさ)・・・

ノコンノコン日本には菊に似た花を咲かせる植物が現在では、約350種もあり、野菊とは
ノコンノコン野生のその様な植物の総称として使われているのだ。つまり広く言えば、野生の
ノコンノコン植物で菊に見える花のコトでもあり、また「陰暦の9月は菊月(きくづき)の異名あり
ノコンノコンノギクには植物学上の定義があるわけではない。「晩夏から秋にかけて咲く山野に野生するヨメナやその類似種の総称」。いずれもキク科の多年草であり、代表的な種としては、ヨメナやノコンギクが挙げられる場合が多いようだが、どちらもキク属ではなく、シオン属である。同じシオン属のヤマシロギク(イナカギク)やシロヨメナ(こちらがヤマシロギクと呼ばれる場合も)もノギクとして扱われているようである。また万葉集には、「父母が殿の後方(しりへ)の百代草(ももよぐさ)百代いでませわが来るまで―生玉部足国(万葉集)」※百代草=菊。
秋の月さんより歌が寄せられていましたので転載させていただきました。いつもありがとうございます。


    この秋の 野菊の群れに 風そよぐ
            稲穂の稔り 吾れ戯れて・・・秋の月



 

 ノコンギク 野紺菊

各地の山野にふつうに見られる。草丈0,5~1,5m。葉はざらつく。頭花は径2.5㎝前後。舌状花は白~赤紫色。アズマギクのように蜜に並ばず、花序に多数の頭花をつける。花期8~11月。広義のノコンギクは多くの亜種や変種に分けられているほか、類似した種も多く、分類は難しい。シラヤマギク(白山菊)は北九州以北に分布。下部の葉は心形で長い柄をもち、頭花は径2cm前後、舌状花数が少ない。シロヨメナ(白嫁菜)は、葉に明瞭な3脈がある。頭花は径約1,5cm。ミヤマコンギク(深山紺菊 ハコネギクとも)は本州中部に分布。総蓬は他のノコンギク類より大きく、先が粘る。頭花は紫色で径約2,5cm。高山種の変種をタカネコンギク(高嶺紺菊)とする。ほかに山地に生えるモノに、ホソバコンギク、タニガワコンギク、ヤマシロギク、クルマギクなどがある。  (平凡社「山の花1200」より転載)







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桔梗が咲いた・・・チョウトンボの池。

キキョウキキョウ チョウトンボの池に桔梗が咲いた。眼に見えて、減少し続けるチョウトンボ
チョウトンボチョウトンボの出現数が気になり始めてからもう数年になる。それ以前のこの池では、シーズ
チョウトンボチョウトンボンともなると大きなメタリックカラーの翅を羽ばたきながら の見事な乱舞シー
チョウトンボチョウトンボンも、今や懐かしい夢物語になってしまった・・・これらBlog の画像を揃えるために 一日に二度、約1週間通いつめ拾い集めたもの。何分にも現れてくれる個体の絶対数が少ないので水面を飛びながら交尾や産卵を繰り返す姿には涙ぐましいシーンもあり、開花したばかりの桔梗が文字通り花を添えてくれるチョウトンボの夏なのだった。

秋の月さんより下記のようなコメントを頂戴しました。「チョウトンボとジュンサイ」の関わりやその影響など、・・・あるのか?ないのか?耄碌爺なりに現在も調査中です・・・。

秋の月 > 桔梗が咲いた???蝶蜻蛉の池・・・ “ この夏の 水面の濁り 一輪の 蜻蛉すいすい 清きに映る ” 私が初めてチヨウトンボを見た池…あの美しい翅…エメラルド色に輝く…手の平に止まってくれた…蝶蜻蛉が乱舞する棲家でした…。画像は、其の当時のように美しい…。 ( 2018/07/21(土) 12:43 )




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キバナノマツバニンジン

キバナノマツバニンジンキバナノマツバニンジン 何度も見ているはずなのに「名前が出てこない・・・」こんなコトの連続で無駄に時間を費して一日が終わってしまう。こんなコトの繰り返しでは何事も「遅々として進まない」・・・「キバナノマツバニンジン」もそんな状態で、もがいた挙げ句にヤッと解放された「よく知られた帰化植物」なのだ。






◆キバナノマツバニンジン=(Y.HADA'S Home Page)=
◆マツバニンジン目撃情報=(Y.HADA'S Home Page)=



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薮萱草 (やぶかんぞう)の花・・・

ヤブカンゾウヤブカンゾウ 車を走らせている間に眼に飛び込んできたヤブカンゾウらしき色の花のある
ヤブカンゾウヤブカンゾウところ数カ所に立ち寄ってみたけれど全て「ヤブカンゾウ」であった。カンゾウとは中国語
ヤブカンゾウヤブカンゾウで「緩草」と書き、憂いを忘れる草という意味だそうだ。ノカンゾウとの違いは「一重」と「八重」の違いだ。「藪のように複雑なのがヤブ」と記憶することにしている。ノカンゾウにはもっと花の色が濃い、「ベニカンゾウ」があり、花は一重で分かり易い。ヤブカンゾウは雌しべと雄しべが弁化して八重咲きになった。ノカンゾウの蕾や若葉は食べられる。

秋の月さんより、歌が寄せられていましたので転載させて戴きました。いつも有難うございます。

     草木萌ゆ 川の流れの 藪萱草
        生き生きとして 野辺に咲くかな・・・秋の月








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束心蘭の花・・・

ソクシンランソクシンラン 花期は4~6月で、花茎は高さ30~50㎝になり、長さ15~20㎝
ソクシンランソクシンランの穂状花序に多数の花をつける。花は長さ5~6㎜のつぼ形で、白色または淡紅色を帯びる。花茎や花被片に腺毛が密生する。ソクシンランは(ユリ科 ソクシンラン属)の多年草で、本州・四国・九州・沖縄、朝鮮南部、中国などの日当たりのよい山麓の草原や道端などに生える。根茎は太くて短い。花茎や花被片に腺毛が密生する。


◆ソクシンラン=(Y.HADA'S Home Page)=





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銀竜草の花・・・

ギンリョウソウギンリョウソウ 「ギンリョウソウ」、北海道から南西諸島までの広域に分布。葉緑素を欠いているため
ギンリョウソウギンリョウソウ大部分が白色で、その姿かたちを竜にみたて「銀竜草」の名がつけられた。植物のなかには光合成をしなくなり、菌類(キノコやカビの仲間)から栄養を奪って生きるものが知られているが、ギンリョウソウもそんな「菌従属栄養植物」の1種で、ベニタケ類の菌糸から栄養を得ている。特に光を必要としないため、暗い森の中での暮らしも難なく暮らしていけるのだ。もっとも地上部に植物体が現れるのは、花を咲かせ、実をつけるための約2か月間だけと短期間なのだ。どちらかと言えば暗いイメージの植物ではある。




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畦の花、靱草・・・

ウツボグサウツボグサ 「靱草」という植物を知って以来、すでに十年は有に過ぎるけれど、これほ
ウツボグサウツボグサど群生し、開花した状態の靱草を観るのは初めてだ。その迫力には圧倒される。植物のあるが儘の姿に触れ
ウツボグサウツボグサることの感動に酔い痴れる一日になった。また、例によって、秋の月氏より、サラリと短文が寄せられていました。現在の私には書けない文章・・・勝手に転載させていただきました。いつもありがとうございます。

秋の月 > 畦の花、靫草・・・野道を歩いていると、年に一度出逢えるかどうか…偶々ラッキーな花散歩でした 。野道にウツボグサの豊に群れて咲く田園風景はvivaldi の四季「夏」の曲が爽やかな風に揺れ聴こえてくるようでした。。。…



以下、生薬としての歴史、情報など「生薬の玉手箱」の記事を一部転載させていただきました。

生薬の玉手箱


 【夏枯草(カゴソウ)】  平成6年07月15日号より


基源:ウツボグサ Prunella vulgaris Linne var. lilacina Nakai (シソ科 Labiatae)の花穂.

 淋病と云えば,昨今は淋菌による性病を意味しますが,本来は排尿時の不快感や残尿感など淋病に似た排尿障害を幅広く意味する言葉でした.昔はそうした淋疾患が多かったのでしょうか,俗に「小便薬」と呼ばれる利尿を目的とした生薬が非常にポピュラーでありました.今回話題に取り上げました「夏枯草」もその一つです.

 夏枯草は『神農本草経』の下品に収載された薬物です.その原植物は日本薬局方ではシソ科のウツボグサであるとされ,『図経本草』記載の徐州夏枯草の付図からも明らかにウツボグサであると思われます.ウツボグサの分布域は広く世界中におよび,リンネが記載した基準種の Prunella vulgaris はヨーロッパ産の植物です.ドイツでもブルネレと呼んで薬用にしており,全草を煎じて結核,胃潰瘍,糖尿病などに内服されるようです.成分としては他の多くの利尿薬と同様,大量のカリウム塩を含み,利尿作用を示すものと考えられています.他に防腐作用を持つような物質の存在が知られていないところから,淋病に用いられたのは尿路を頻繁に洗い流すことが目的であったと考えられます.

 夏枯草の薬用部位は現在薬局方には「花穂」と規定されていますが,従来は全草生薬であったようです.現在のように花穂のみが使用されるようになったのは清代になってからで,見栄えのよさという商品価値的な理由であったのではないかとする研究報告もあります.実際,民間薬としては,日本,韓国,台湾などでは今でも全草が使用されていて,花穂ばかりを集めた商品に比べますと雑な感じがしないでもありません.なお,昨今の日本市場は中国からの輸入品ばかりが出回り,すべて花穂のみの商品です.薬局方の記載もこうした事情を反映したものと考えられます.

 先述のように夏枯草は古来重要生薬であり,またどこにでも見られる一般的な植物であったため,わが国の本草書にもかなり具体的な記載が見られます.現在の市場の状況からしても原植物はウツボグサで問題はなさそうですが,本草書の中には違った意見が述べられています.

 稲若水は「葉は金沸草に似て裏に紫条あり,花は微紅,空穂草(ウツボグサ)に似て長く,ウツボ草には有らず.ウツボ草は用いて功なし」とし,小野蘭山は「今薬肆に売る所の夏枯草みなうつぼぐさなり,然れどもうつぼぐさは除州夏枯草にして真物にあらず.--- 此草夏枯れず夏至以後始めて花あり.夏枯草の名に稱はず.しかれども効用は近にして代用するゆえに除州夏枯草という」と述べ,原植物にジュウニヒトエ(同じシソ科の Ajuga nipponensis Makino)を充てています.

一方,『用薬須知』には「和名ウツボグサ.本草ニ夏ニ入リテ枯ルトイウ.今ノ靭草ハ枯レザルヲ以テ疑イテ真ニ非ズトスル人アリ.之詳審ニ之ヲ考窮セズノ誤也.此ノ物新苗已ニ生ジテ舊根枯ル.此新旧相代ワルナリ.夏ニ入リテ枯ルルノ説ニ能ク合ス.是真ナリ.疑ウベカラズ.一種救荒本草ニ出ズル所ノ夏枯草アリ.審ニ之ヲ察スルニ此レ紫背龍芽ノ一種ニシテ恐ラクハ真ノ夏枯草ニアラズ.且ツ和邦古ヨリ靭草ヲ用イテ毎々経験アリ.宜シク靭草ヲ用ユベシ」とウツボグサが正品であると記載されています.

 夏枯草の原植物がウツボグサであったかあるいはジュウニヒトエの仲間であったかは論議の別れるところです.石戸谷保氏は,韓国市場で Ajuga(キランソウ)属植物を基源とする夏枯草を入手したと報告しており,また『本草綱目拾遺』の「白毛夏枯草」は「葉梗は夏枯草と同じだが,ただ葉上に白毛がある」とあり,ジュウニヒトエの仲間であったようです.ただし,1793年に幕府の求めに応じて中国から夏枯草の種子が持ち帰られ,播種育成したところウツボグサであり,従来の所用品と一致したとされていることから,やはり正品はウツボグサとするのが妥当なような気がします.わが国で種々論議されたのは,夏枯草の薬効がそれほど優れたものではなかったからかも知れません.中国でも『神農本草経』,『名医別録』以降は殆ど記載がなく,余り重要な生薬ではなかったようです.ただ,こうした原植物の誤認は「夏枯草」すなわち夏に枯れる性質に起因しているもとの考えられ,現在韓国で夏枯草として使用されているビャクダン科のカナビキソウもそうした例の一つです.
 なお,中国医学での薬効は「清熱明目」薬として肝胆の欝火を除くことによりそれにより生じたリンパ節結核や甲状腺腫瘍,耳下腺腫を治するもので,夏枯草の昨今のわが国での使用方法とは異なることを付記しておきます.
(神農子 記)








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鹿の子草の咲く頃・・・

カノコソウカノコソウ この花が、妙に目立つ季節がある。花弁がゴーカである、とか・・その佇ま
カノコソウカノコソウいが、際立ってチャーミングであるといった、特定のモノ、そのモノが美しいワケでもないけれど、何か心騒ぐトキがある。シャッターの回数こそ多くはないが、この花は毎年撮っている。対象が植物や動物など森羅万象なんであっても、バランスのいいタイミングで撮るコトができれば、耄碌爺にとって「気分のいいショット!!」・・・ということになるのだ。

・・・「鹿の子草」の画像は気に入っているのだが、「三途の川」の妄想に取り憑かれて以来、久しく書けなかった「我がBlog」の記事が落ち着かずイライラ・・・チョット覗いてみた「あしアト do_On!」に、歌でお馴染みの、秋の月さんから書き込みがあり」そのサラリとした文体とその内容に感銘、力めばいいってものじゃない・・・と、ありがとうございました。

秋の月 > 鹿の子草が咲く頃・・・Tokiraさんが感じる「心騒ぐトキがある」…。確かにそんな花…大輪の鹿の子草は森の緑に映え、その、爽やかな美しさは控えめ、清楚、安らぎを感じます。花言葉も「親切、真実の愛情、気さく」だそうです 。 ( 2018/06/17(日) 19:48 )






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マイルス・デビスやチャーリー・ミンガスもいいけれど
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近頃は吉田日出子の「リンゴの木の下で」を聴いては
ホロリと黄昏れている・・・
時々、照れ隠しに『淫蕩火』を名乗るエロ老人。



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