カザミグモ(左)という蜘蛛を初めて見た。カザミとは蟹の一種らしいのだけれど、なるほど、膨らんだ腹のあたりを取り除けばカニに似ている。滝のぞばで握り飯を喰っていたら長い糸にぶら下がったまま風に吹かれ、舞い降りてきた。調べてみたらカニグモの仲間は網を張らない徘徊性のクモで、主として待ち伏せで獲物を捕らえるらしい。蜘蛛は特に害を与えるわけではないのに人間に嫌われている生き物なのだ。ごく一部の種類を除いて人間に害を与えることはないという。アメリカとオーストラリアにいる約30種は人間を殺すほどの毒を持っているらしいが、基本的に蜘蛛は人間にとって有害な生き物を食べてくれる有難い生き物ということになるのだが、人間さまの身勝手な偏見によって嫌われているのだった。「蜘蛛」が特に好きだということはないけれど、得てして“ヤバイもの”が持ち合わせる不思議な魅力を感じるのは確か。妖しげな模様やら張り巡らせた糸で獲物を捕らえたり、くるんだり・・・蜘蛛の糸は1つと思われがちだけれど、実は1種の蜘蛛が6種類もの糸を使い分けているという。糸は獲物を捕らえるための粘着性のある糸や、卵を保護するための柔らかい糸、足場とするための粘着性の無い糸などを使い分け、蜘蛛の糸は細くて軽いけれど、自然界の繊維の中では最強のモノで、鋼鉄の糸の4倍以上もの強度があるという。糸を投げ縄のように用いる蜘蛛もいるらしい。多くの蜘蛛は獲物の動きを封じ、ゆっくり食べるためにも糸を用いる。また、蜘蛛の子供は孵化したばかりの頃では、まだ糸も毒も作れず、1回目の脱皮を行なって初めて糸と毒が作れるようになるのだという。蜘蛛は成長過程で何度も脱皮を行ない、種類によっては15回もの脱皮を行なうものもあるらしい。蜘蛛の生態にのめり込めば面白く、不思議の興味は尽きない・・・蜘蛛といえば「芥川龍之介・蜘蛛の糸」があり、一部抜粋転載した。

「蜘蛛の糸」 芥川龍之介
ある日の事でございます。御釈迦様(おしゃかさま)は極楽の蓮池(はすいけ)のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮(はす)の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色(きんいろ)の蕊(ずい)からは、何とも云えない好(よ)い匂(におい)が、絶間(たえま)なくあたりへ溢(あふ)れて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。
全文はコチラで→ 蜘蛛の糸 芥川龍之介
、「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己(おれ)のものだぞ。お前たちは一体誰に尋(き)いて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」と喚(わめ)きました。
しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着(とんじゃく)致しません。その玉のような白い花は、御釈迦様の御足(おみあし)のまわりに、ゆらゆら萼(うてな)を動かして、そのまん中にある金色の蕊(ずい)からは、何とも云えない好(よ)い匂が、絶間(たえま)なくあたりへ溢(あふ)れて居ります。極楽ももう午(ひる)に近くなったのでございましょう。
蜘蛛の糸 芥川龍之介(青空文庫)
↓オモロナイ
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